研究分担者 |
志賀 潔 岐阜大学, 工学部, 教授 (10022683)
小林 孝子 岐阜大学, 工学部, 助教授 (40252126)
関口 次郎 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (30117717)
大島 利雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50011721)
行者 明彦 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (50116026)
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配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2005年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2004年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2003年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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研究概要 |
この期間中には,主に,概均質ベクトル空間上の微分方程式に関する研究を行った.概均質ベクトル空間上の不変微分方程式は,線型であってしかも定数係数であるので,もっとも解析しやすい微分作用素であるが,特定の作用素に関する具体的な解析はそれほど容易ではない.実際に,波動作用素を除けば,高階の双曲型偏微分作用素の具体的な解析は進んでいない.我々は,概均質ベクトル空間上の不変微分作用素に対して基本解の台と特異台を明示的に決定する問題に取り組んだ.特に可換放物型の場合はその不変微分作用素が双曲型になる.この場合のsingularityの伝播を調べるには,基本解の特異台を正確に決めることがもっともオーソドックスな解法である.実際にそれを実行することで,特異性伝播集合(singularity propagation set)を定義し,それを決定することができた.注目すべき点は,双曲型の偏微分作用素に対して,singularityの伝播に関するホイヘンスの原理を確立し,それが成り立つこと例があることを計算して証明したことである.我々は,実際にこのsingularityの伝播に関するホイヘンスの原理が成立することを,概均質ベクトル空間上の不変微分作用素に関して確かめた.これらが,より広いクラスの微分作用素に対して成立するかどうかは興味深い問題である.というのは,実際の物理的な現象において,singularityが非常に狭いところだけを伝わるという現象が発見されれば,応用の範囲は広いと思われる.数学的な解析のあとで,対応する物理現象が観測されることは往々にしてあることで,この面からも,特に高階の定数係数の微分作用素の具体的な解析は,もっと進められるべきである.そのほか,普遍包絡環の研究に関して,一般Verma加群の零化する作用素の研究や,ランク4の鏡映群の研究などが共同研究者によって行われた.
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