配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
研究概要 |
f電子系の示す多彩な秩序現象と動力学を,特に伝導電子のスピン自由度が果たす役割に注目して理論的に研究し,多くの成果を得た。代表的な結果を以下に掲げる。 1.CeRh3B2はCe化合物で最も高いキュリー温度(120K)を持ち,強い異方性,小さいモーメント,伝導電子の逆分極など種々の異常を示す。我々はRhの4d分子軌道とこれをはさむCeの4f電子の混成を重要視するモデルを提案し,この強磁性の機構を平坦バンドにより説明した。 2.Cel-xLaxB6のIV相の秩序変数は長年の謎であったが,これを磁気八極子と同定した。我々の八極子モデルは,最近のX線散乱結果を矛盾なく説明した。この成果は,J.Phys.Soc.Jpn編集部の推薦論文となり,新聞報道でも紹介された。 3.動的平均場理論によるバンド計算を定式化し,プログラムコードを開発した。Ce化合物の電子状態ではスピン軌道分裂や結晶場が重要であるが,従来の動的平均場バンド計算ではこれらを取り入れることはできなかった。NCA法を拡張し,これをLMTOバンド計算に組みこむことにより,定量的な計算を行った。 4.Npを含む3元化合物NpTGa5(T=Co, Ni, Rh)は中性子散乱が活発に行われている。この物質群の多彩な磁気秩序状態を統一的に説明するモデルを提案し,複数の秩序状態を自然に説明した。多様な磁気秩序をもたらす原因は,Npの軌道自由度であることを示し,秩序に伴って結晶変形がおきることを予言した。 5.Prスクッテルダイトの秩序変数が,結晶の立方対称性を保つスカラー型であるモデルを提案し,NMRの磁場方向依存性,磁化の異方性,帯磁率の等方性などを自然に説明した。
|