研究課題/領域番号 |
15405042
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
環境農学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中村 徹 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (60015881)
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研究分担者 |
林 一六 筑波大学, 名誉教授 (80015586)
田村 憲司 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教授 (70211373)
上條 隆志 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (10301079)
荒木 眞之 筑波大学, 大学院・環境科学研究科, 助教授 (80193077)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
2006年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | ユーラシアステップ / 植生 / 植物相 / 土壌 / 現存量 / アルタイ山脈 / 天山山脈 / ユーラシア / ステップ / 大規模農業 / 内蒙古 / 放牧 / 人為圧 / 砂漠化 / バイオマス / 放牧強度 / 土壌環境 / 気象条件 / モンゴル / カザフ共和国 / 植物組成表 / ウクライナ / 大規模農耕地 |
研究概要 |
ユーラシア大陸の北緯50度前後を、東西8,000キロに及ぶ大草原(ステップ)のベルトがある。このステップを平成15年から平成18年に生態調査した。調査項目は1)植物相調査、2)植物社会学的植生調査、3)ワク法による種組成と現存量の調査、4)土壌断面調査である。 この結果,次のような新たな知見が得られた。 1)植物相調査では、カザフスタン・モンゴル国境を境に、西側と東側とで植物相が大いに異なること、さらに、モンゴル・中国内蒙古と日本とを比較すると、草原では植物相が大きく異なるのに対し、湿地では類似している、ことが明らかになった。 2)植物社会学的植生調査により、やはり、アルタイ・天山両山脈を境に、種組成に基づいた群落が大きく異なることが明らかになった。また、降水量などの気候条件と、人為の種類と強度によっても群落が異なる。 3)ワク法による調査の結果、耕作などの放棄後の遷移系列を類推することができた。また、放棄後10年前後で種多様性が最大になること、および現存量は場所によって大きく異なり、450-1000kg/haの炭素が蓄積されていることなどが判明した。 4)土壌断面調査では、各国数カ所ずつの土壌断面を作成した結果、やはり西側と東側とでステップの土壌が異なることが明らかになった。西側では、やや降水量が多いこともあり、色の黒いチェルノーゼムが主体であり、東側では色が薄く、カスタノーゼムが主体である。 以上を総括すると、カザフスタン・モンゴル国境付近のアルタイ・天山両山脈を境界に、東と西とでは、植物相、植物群落、土壌が大きく異なる。この原因として、1)標高の高い山脈を植物が乗り越えられず、種の交流が少ないこと、2)東側は降水量がやや少なく乾燥に傾いているが、西側は逆に降水量がやや多いこと、3)人為の種類も、東側は放牧が中心であるのに対し、西側では耕作が主体であること、などがあげられる。
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