研究概要 |
(1)過酸化リノール酸と2価鉄イオンとの反応液中に生成するフリーラジカルの構造決定をHPLC-ESR-MSをもちいておこなった。その結果7-carboxyheptyl radical, pentyl radical, 7-carboxyldihydroxyheptyl radical, 1,5-dihydroxypentyl radical, 8-carboxy-1-hydroxyoctyl radical, 7-carboxy-1-hydroxyheptyl radical, 1-hydroxypentyl radical, 1-hydroxyhexyl radicalが同定された。(2)13-hydroperoxy-9,11-octadecadienoic acidと種々のヘム蛋白質との反応液中に2価鉄イオンとは異なる機構で7-carboxyheptyl radicalが生成することが分かった。(3)2-dilinoleoyl-sn-glycero-3-phosphochline (DLPC)と大豆リポキシゲナーゼとの反応溶液,自動酸化DLPCと2価鉄イオンとの反応溶液中,およびDLPC過酸化物と2価鉄イオンとの反応溶液中にペンチルラジカルが生成するを明らかにした。(4)種々のフラボン類は鉄イオンにキレートすることにより過酸化脂質由来ラジカルの生成を阻害することを明らかにした。(5)エーテルを暴露したラットの血清と2価鉄イオンとの反応溶液中にエーテルラジカルを検出・同定した。(6)ラット脳ホモジネートとアスコルビン酸/鉄イオン/EDTAとの反応溶液中に,エチルラジカルが生成することを示した。(7)ラット脳の虚血再還流実験を行い,その時発生するラジカルをマイクロダオアリーシス法をもちいて分析をおこない,ラジカル種をESR法により検出した。目下その構造決定を行っている。
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