研究概要 |
1.Tasoev連分数の定義と発見 まず、Tasoev連分数の実例の基本的形を発見し定義した。次に、Hurwitz連分数にはtanh,tan,eの値として与えられるものの存在がそれぞれ知られていることから、Tasoev連分数の同様なタイプをより一般の形で構成し、更にこれらの一般型に対応するHurwitz連分数をtanh,tan,eのそれぞれのタイプ別に求めた。これらの一般形は今までのtanh,tan,eの値として与えられる多くの実例を含むものであった。 2.Tasoev連分数と他の連分数との関係 Tasoev連分数とHurwitz連分数とは、部分商の列が幾何学的か算術的かという観点から類似対比させて新しい形で構成することが出来た。今後も、どちらか一方の連分数で得られた新しい結果の多くは、もう一つの連分数でも応用されることが期待される。Rogers-Ramanujan連分数は分子が1になるとは限らない一般連分数であるが、変換によって分子が1になる単純連分数に帰着されることが出来れば、Tasoev連分数になることがわかり、その具体例をいくつか発見した。 3.Tasoev連分数の有理近似 Tasoev連分数の応用の一つとして、Tasoev連分数を与える無理数を有理数で近似することで、一般的な場合についての評価方法を確立し、具体的な幾つかの例について実際に値を求めることが出来た。 4.連分数の新しい応用 非斉次ディオファントス問題のある値を求める問題について、新しい連分数の非斉次アルゴリズムを開発した。連分数の近似分数を飛び飛びに取ったLeaping convergentsを定義し、様々な面白い性質を求めた。有理数の連分数展開における未解決問題のZaremba予想に対して、偶数べきの場合などにおける解決を与えた。
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