研究分担者 |
福井 昌樹 北海道教育大学, 教育学部・旭川校, 教授 (20002628)
奥山 哲郎 北海道教育大学, 教育学部・旭川校, 教授 (60128733)
阿部 修 北海道教育大学, 教育学部・旭川校, 助教授 (30202659)
小室 直人 北海道教育大学, 教育学部・旭川校, 助教授 (30195862)
北山 雅士 北海道教育大学, 教育学部・釧路校, 教授 (80169888)
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研究概要 |
有限型の微分方程式系の幾何学的研究に関する近年の重要な問題である同値問題について取り組んでいる.この系に付随したCartan接続の構成および不変量を求める研究に取り組んでいる.2年の研究期間の取り組みについて,研究目的・実施計画に沿って以下のように報告する. 1.可積分かつholonomicな微分方程式系(χ)に付随した擬積多様体の付随した表象代数の延長は,擬射影階別リー環となる.N.Tanakaは,微分方程式系(χ)に付随したCartan接続が自然に構成されることを示した.このCartan接続の曲率関数の調和成分は,holonomicな微分方程式系の不変量を生成し,擬射影階別リー環の一般化されたSpencerコホモロジー環に値をとることから,不変量の研究に一般化されたSpencerコホモロジー空間H^2(〓)の研究が必要となる.一般化されたSpencerコホモロジー環H^2(〓)の自然な分解における消えない成分の計算をKostantの定理を適用して行った.常微分方程式の場合には,B.Doburovが不変量である曲率関数の調和成分がH^2(〓)の部分空間F^1H^2(〓)に値をとることを示した.B.Duburovは,従属変数が1つの場合にF^1E2(〓)についての考察を行ったが,我々は一般の場合の考察を行い生成元を求めた.また一般の場合のSpencerコホモロジー環の計算については統一的な方法の確立には至っていない. 2.2階および3階の常微分方程式から導かれる擬積多様体上のCartan接続の構成法および不変量の計算はすでに知られている結果ではあるが,3階の場合にCartan接続の構成に関する田中の理論に沿った方法での検証を試みた.この方法の類似として未知関数が2の場合に同様の過程をたどりCartan接続の構成法および不変量の計算を試みているところであるが最終的な結果を導き出すまでには到達していない段階である.
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