研究概要 |
培養皮膚モデルを用いたドレーズ試験に代わる皮膚刺激性評価法の確立を最終目標として,陽イオン界面活性剤である塩化セチルピリジニウム(CPC)をモデル起炎物質として選択し,これを培養ヒト皮膚および動物皮膚に適用し,皮膚中細胞(角化細胞および繊維芽細胞)のバイアビリティの時間推移をMTT試験より評価し,速度論的に解析した. 1)皮膚刺激性の標的部位に関する研究: 同じ濃度のCPCを適用した時のMTT試験によって評価した死細胞率は背部と腹部皮膚で違いが見られたが,皮膚中濃度で標準化した死細胞率にはほとんど違いが無かった.この結果は皮膚刺激が起こる組織のCPC濃度が刺激性に直接関係していることを証明している.また,培養繊維芽細胞の死細胞率をシグモイド型最大効果モデルで評価したところ,in vivo実験と同様の形状因子や最大効果性を示すことが明らかとなった.これらの結果から,培養細胞系を用いた検討は化合物の生体に対する刺激性効果の予測に有用であると思われた. 2)角化細胞と繊維芽細胞のCPC刺激性評価: ヒトの繊維芽細胞と角化細胞を用いて刺激性試験を検討した結果,角化細胞は繊維芽細胞の約10倍の感受性を示した.すなわち,皮膚表面側にある角化細胞が体を守るため,深部の細胞である繊維芽細胞より感度が高いことが考えられた.
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