研究課題/領域番号 |
15590922
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
|
研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
林 由起子 国立精神・神経センター, 疾病研究第一部, 室長 (50238135)
|
研究分担者 |
西野 一三 国立精神・神経センター, 疾病研究第一部, 部長 (00332388)
金子 加奈子 (後藤 加奈子) 国立精神・神経センター, 疾病研究第一部, 研究員 (00392415)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 筋ジストロフィー / 常染色体優性 / 遺伝子欠失 / 染色体4q35 / 体細胞モザイク / 遺伝子診断 / 臨床的多様性 / 遺伝的多様性 / サザンブロット解析 / PCR法 / 常染色体優勢 / 浸透率 |
研究概要 |
顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)は常染色体優性の遺伝形式をとる頻度の高い筋疾患である。多くは染色体4q35領域に存在する繰り返し配列(D4Z4)の欠失によることが明らかとなっているが、その発症メカニズムは明らかでない。 一因として体細胞・生殖細胞モザイクの関与が示唆されていることから、我々は患者およびその両親におけるサザンブロット(SB)解析をおこない、FSHD患者の約20%は親世代の体細胞モザイクに起因していること、欠失のサイズおよび割合と発症年齢、臨床的重症度とは関連ないことを明らかにした。また親世代ですでに遺伝子欠失を有するにもかかわらず全く臨床症状を認めない場合が約半数存在することが明らかになった。これはFSHDが極めて高い浸透率を示すという従来の定説を覆すものである(Goto et al. Med Genet 41:e12,2004). またFSHDの臨床症状はきわめて多彩であり、同一家系内においてさえも個人差が著しい。我々は独自のFSHDデータベースを基に、臨床的にFSHDと診断された200例中、4q35領域に遺伝子欠失の認められない症例40例に注目し、詳細に解析した。その結果FSHDは臨床的にも遺伝学的にも多様であり、他の疾患であってもきわめて似た臨床症状をとる場合があることを報告した(Yamanaka et al. J Neurol Sci 219:89,2004)。 FSHD患者で欠失のみられるD4Z4リピートの数は個人差が大きく、SB解析で検出されるEcoRI断片は10〜300kbときわめて多様である。さらにこの領域はGC含有量が多く、また他の染色体領域にも似た配列が存在するなどの点から、現在のSB法による遺伝子解析はきわめて複雑で困難を伴っている。そこで我々はPCR法を用いた簡便で、しかも短時間で行える方法を開発した。本方法を用いてFSHD75例について解析したところ、サザンブロット解析結果に合致するPCR増幅産物を95%でみいだすことができ、本方法がきわめて有用であることが明らかとなった(特許出願中、paper submitted)。
|