配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
1)MXRの482番目のアミノ酸がRからGまたはTに変異するとmitoxantroneやdoxorubicinに対する耐性度が増加する。加えて,novoviocinやfumitremorgin C(FTC)などのMXR阻害剤の効果にも影響する。MXRを過剰発現するMCF-7 AdVp3000細胞(変異MXR-482G-を発現)から調整した膜小胞はATP依存性にleukotrien C4(LTC4)を小胞内に取り込むことは既に報告したが,変異(482Gまたは482T)MXR遺伝子,およびwild-type(482R)MXR遺伝子を導入したHEK-293細胞から調整した膜小胞もATP依存性にLTC4を取込んだ。中でも482T膜小胞による取り込みが最も多く,MXRがGS-Xポンプ活性を有し,482番目のアミノ酸変異がLTC4輸送活性に関与している可能性が示唆された。 2)MCF-7 AdVp3000膜小胞によるATP依存性のLTC4の取り込みは,MXR阻害剤であるnovobiocinにより阻害され,MXRがGS-Xポンプであることを示唆するものであったが,他のMXR阻害剤FTCではほとんど阻害されなかった。これら薬剤のMXR阻害機構が異なる可能性が考えられ,さらなる検討を要する。 3)腎細胞癌患者16例,17腎から,手術により摘出された癌組織を用いて,RT-PCR法により,MXRmRNAの発現を検討した。腎癌組織では17サンプル4例にのみ発現をみとめるのみであったが,MDR1mRNAは10/17に,MRP1mRNAは13/17に検出された。腎癌ではMXRが臨床での薬剤耐性に関与している割合は低いと思われるが,MXRを含めたABCトランスポーターの発現プロファイルの解析により,適切な薬剤選択が可能となると思われる。
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