研究分担者 |
南前 恵子 鳥取大学, 医学部, 講師 (30252878)
笠城 典子 鳥取大学, 医学部, 講師 (60185741)
松田 明子 鳥取大学, 医学部, 助手 (00346347)
伊藤 靖代 鳥取大学, 医学部, 助手 (70379626)
内田 宏美 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 教授 (30243083)
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研究概要 |
音楽は人間の生理的、心理的、精神的側面に複合的に影響を与える.音楽による不安や疼痛の緩和,ストレスの緩和やリラクセーションといった鎮静効果,あるいは気分の高揚,覚醒度の向上などの賦活効果等を目的とした音楽療法が代替・相補治療として行われている.音楽により治療効果を得るためには,音楽に対する個々人の反応の相違をもたらす特性,音楽感受性などの変数を特定し,その影響を明らかにしていくことが必要である. 本研究は,音楽鑑賞による反応の個人差を音楽感受性という観点から調査し,音楽によって生じる感情反応と自律神経系の応答について明らかにした. 1.寒冷刺激下における痛み耐性への聴取楽曲の違いによる影響:1/fゆらぎ曲よりも好み曲聴取により気分が高揚し不快感が軽減されることや,好み曲は意識を傾けやすく痛みから注意をそらす効果があることから,痛みに耐えるための有効な心理状態に導きやすいという可能性が示された. 2.不安気分時における聴取音楽の違いによる気分変化の違い:気分と一致していない音楽は不安,倦怠のネガティブ感情を喚起することが明らかになった. 3.音楽とマッサージによって生じる感情反応と自律神経系の応答に関する研究:減算負荷によりストレス反応を示した場合は,音楽マッサージにより副交感神経系活性は高まるが,交感神経活性には変化を及ぼしていないことが明らかになった.また,感情状態変化と自律神経系の反応には関連は見出せなかった. 4.環境音楽による事業所職員の精神的ストレス緩和効果に関する検討:自覚症調べの結果からは環境音楽聴取が作業中の精神的ストレスの緩和に効果があることが示された.しかし,CgAでは環境音楽聴取による差は認められなかった.
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