研究課題
若手研究(A)
本年度は最終年度にあたるので、本研究の総括を行った。本研究の目標とする地中物体を3次元的な「像」として推定可能であることをフィールドデータを用いて実証した。同時に、推定精度に冠する検討を実験と理論計算によって明らかにした。昨年度までの研究により、本学構内の坑井付近には断層が存在しており、レーダのターゲットとして最適でることが予想されていた。本年度は、この断層の3次元イメージングを試作アレー型ボアホールレーダで行った。さらには、クロスホール計測によるトモグラフィーによって、ターゲットの2次元イメージングを行い、アレー型ボアホールレーダの推定精度の検討を行う。重要な開発項目は信号処理法の開発になった。ゾンデを一深度に設定するとアレー信号合成によって得られた物体上の3次元反射点位置推定結果を出力可能である。本年度はゾンデの位置を複数深度で変化させて得られたデータから3次元的な物体像を出力する信号処理法を開発した。この推定結果は3Dグラフィックによって、専門家以外の人にも容易に断層などの3次元形状を理解できるようにした。当初の予定になかったが、研究を遂行していく上で問題点が浮上したため、以下について検討をした。受信アンテナへの入射電磁波は垂直偏波を仮定していた。しかし、地中のき裂や断層などからの反射波は水平偏波成分を含むことがわかった。この場合、受信アンテナで電磁波の到来方向推定が困難になることがわかった。これに対する対策として、直交ダイポールループアンテナを提案し、これまでの受信アンテナと併用することで、電磁波の偏波状態に対して補正を加えた上で電磁波の到来方向を推定できる可能性があることを実験的に明らかにした。
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