研究課題/領域番号 |
15790369
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
田橋 賢也 関西医科大学, 医学部, 助手 (00351528)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | TGF-β / Smad / 星細胞 / PAI-1 |
研究概要 |
急性肝炎後の活性化肝星細胞は、Disse腔から障害肝組織へと遊走することにより肝修復過程に関与している。CCl_4投与後に、星細胞核内で認められたSmad3リンカー部のリン酸化が星細胞の遊走能にどのような作用するかを検討するため、Invasion assayを行った。TGF-β PDGFを添加したところ、星細胞の遊走能は亢進した。両方添加した場合には単独添加に比べ遊走能はさらに亢進した。ここにJNK inhibitor SP600125を加えたところTGF-β PDGFによる遊走能の亢進は著明に抑制された。 昨年の研究成果(1)初代培養肝星細胞にTGF-βとPDGFをそれぞれ添加したところJNKが活性化した後、Smad2/3リンカー部のリン酸化が認められた。(2)初代培養肝星細胞では、リンカー部のリン酸化したSmad3によって、細胞移動に関係する1型プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター(PAI-1)の転写活性が上昇した。(3)CCl_4投与後、リンカー部のリン酸化したSmad3は、障害の認められた中心静脈領域のαSMA陽性肝星細胞の核に集積していた。(4)障害肝組織から抽出した星細胞を用いたin vitro kinase assayの結果、活性化したJNKが直接Smad2/3のリンカー部をリン酸化する事が確認された。 以上の結果から、急性肝障害時の肝の修復過程においてTGF-βとPDGFは一過性に上昇する。これらのシグナルにより星細胞でJNKが活性化されるに伴いSmad2/3リンカー部がリン酸化される。更に、リン酸化SmadがPAI-1等の転写を促進させることで、Disse腔から障害肝組織へと星細胞が遊走し、細胞外基質の産生を亢進させることで肝組織の修復が進むものと考えられた。今回の検討は今後、人肝組織におけるTGF-βシグナル伝達の解明につながると考えられた。
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