研究課題
基盤研究(B)
本研究は、地すべりの発生が危惧される斜面において、斜面下を透過する弾性波の波形記録を解析することにより、その斜面の状態をモニターできるようにすることを目指して実施された。現場では、斜面に影響を及ぼさない程度の低強度の弾性波を広い周波数範囲で送信し、高感度加速度計アレイ観測による受信に成功した。要素試験として実施した未固結な土層を媒質とした弾性波計測試験において、媒質の乾燥過程において水頭の減少にともなう伝播速度の増加がみられること、またこの変化は低周波側から先行してみられることを明らかにした。
地すべりや大規模崩壊等による斜面災害の発生予測は、学術的にも社会的にも重要な課題である。特に、降水に伴う地すべりについては、実際の降水に対して斜面状態を適切に常時モニターすることにより斜面災害の発生予測に役立てることが肝要である。広周波数帯域の弾性波モニタリングは、周波数ごとに感度を持つ領域の広がりが異なるという理論的な裏付けもあり、降水による媒質の湿潤状況の時空間分布の変化を詳細に把握する上で有用であることが、本研究によって示唆された。
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すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 1件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 5件)
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