研究課題
基盤研究(B)
脂質分析の技術開発を進めた。土器胎土・付着炭化物・食材原料などの分析試料から、汚染を防ぎつつ有機化合物を抽出する方法を確立し、抽出した有機化合物をGC-MSにより同定し、この溶液をGC-C-MSに導入し、CSIAを行う分析手法を確立した。考古・文化財資料に特化した、分子レベル安定同位体分析を行う、国内で唯一の質量分析計システムを構築し、測定、分析を開始した。日本列島の食料資源についてCSIAによるデータを蓄積し、列島産の食材をC3植物、陸棲動物、反芻動物、淡水魚、海棲動物、C4植物のグループに分ける各領域範囲を決定した。国内外35を超える遺跡から出土した資料を分析し、興味深い結果を得た。
土器と土器付着物に含まれる脂質などの有機物を分析するには、これまで、主に英国の研究機関で測定せざるを得なかった。国内で、分子レベル炭素同位体分析を含む脂質分析を定常的に行うことができるようになったことは大きな意義がある。食材の化学的・物理的性質には、地理的な固有性があり、列島の特性をもとに分析出来ることは大きい。1万年以上存続した縄文土器をはじめとして、古代土器に残る食材情報を取り出すことが出来るようになり、古代人の食環境を明らかに出来る可能性が広がった。一般の方の関心も高く、自然環境と人類の適応について考える材料を提供することが可能となる。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (18件) (うち国際共著 7件、 査読あり 16件、 オープンアクセス 7件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (49件) (うち国際学会 12件、 招待講演 2件)
Quaternary Int.
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