研究課題
基盤研究(B)
多くの植物は種子や胚を経由せず栄養器官から親個体のクローン個体を発生する栄養繁殖という繁殖様式をもつ。しかし栄養繁殖の分子メカニズムに関する知見はほとんどない。ゼニゴケは栄養成長の本体である葉状体上に杯状体という器官を形成し、その中に百個以上もの無性芽という栄養繁殖器官を形成することで栄養繁殖する。本研究では、無性芽発生の場となる杯状体の形成に必須なR2R3-MYB型転写因子GCAM1の同定に成功し、その機能メカニズムについて解析した。また杯状体底部における無性芽発生の開始に植物Rho型低分子量Gタンパク質Ropの活性化を担うPRONE型RopGEFが必須の役割を持つことを明らかにした。
本研究はコケ植物ゼニゴケを材料に栄養繁殖の分子メカニズムにアプローチする独創的な研究である。本研究で同定した杯状体形成の鍵制御因子GCAM1は被子植物にも保存され、腋芽形成の制御因子であることが知られている。また無性芽発生の開始を制御することが明らかにされたRopGEFは、被子植物で細胞の先端成長や極性を決定することが知られている。すなわち本研究は、コケ植物と被子植物に共通する発生制御の分子機構を明らかにし、さらに植物の形づくりの進化について新たな概念を提唱する。また農業・園芸分野では、根・茎・葉など栄養器官からの個体発生を自在にコントロールする技術基盤の構築が期待される。
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すべて 国際共同研究 (17件) 雑誌論文 (18件) (うち国際共著 7件、 査読あり 18件、 オープンアクセス 10件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (30件) (うち国際学会 9件、 招待講演 12件) 図書 (1件) 備考 (4件)
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