研究課題
若手研究(A)
光速の行き帰りの差をこれまでにない精度で測定することができる装置の開発に成功した。我々の装置はシリコンを入れることで光路の一部の屈折率を変えた非対称光リング共振器の両回りの共振周波数差を測定する。本研究ではモノリシック光学系の開発による振動雑音の低減と、無線信号取得による回転台の連続回転の実現を行った。1週間の試験観測を行った結果、光速の行き帰りの相対的な差に対して5×10^{-15}の上限値を得た。これまでの上限値は我々が1年間の観測で2013年につけた6×10^{-15}であるが、これと同等の精度を1週間で達成したことになる。今後1年間の観測を行うことにより、5倍の精度向上を見込んでいる。
光速の等方性は光子のローレンツ不変性と結びついており、光速の異方性探査はローレンツ不変性の破れを探査していることになる。特殊相対性理論の発表から100年以上の間、様々な方法による実験的検証が世界中で行われてきたことで、ローレンツ不変性は全て物理学の基礎原理となっている。しかし、統一理論に向けた理論研究などにより、あるエネルギースケールではローレンツ不変性が破れている可能性が示唆されており、ローレンツ不変性の破れ探査実験はこれまでになく重要となっている。我々が開発に成功した実験装置はこのローレンツ不変性の破れを世界最高精度で探査することができる装置の一つである。
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