研究課題
若手研究(A)
本研究では、海洋からのN2O放出量を従来よりも正確に見積もる目的で、海洋生態系・同位体分子種モデルを開発した。一次元モデルを、西部北太平洋の亜熱帯定点(St.S1)と亜寒帯定点(St.K2)に適用し、本研究で行った各種同位体観測との比較から、両海域における年間N2O放出量の見積りと、放出プロセスの解明を行った。また、窒素固定と脱窒を含む全球モデルを構築し、観測と矛盾しない全球窒素同位体分布を得ることができた。
N2Oは、自身が主要な温室効果ガスであるとともに、成層圏に輸送されると光酸化反応を経てオゾン層の破壊に関与する。このことから、N2Oの収支や変動要因の理解は、地球温暖化対策やオゾン層保護において重要な研究課題であると考えられている。しかし、N2Oの総排出量の見積もり幅はまだ極めて大きく、各排出起源の見積もりの高精度化が求められている。海洋は重要な排出源であるが、未だ大きな見積もり幅を持つ。本研究では、同位体分子種を用いることで、N2O生成プロセスを陽に扱ったモデルを開発した。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 8件)
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