研究課題
若手研究(A)
本研究では、独自のTOF距離計測方式と高速な電荷変調素子により、極めて高い距離精度(分解能)を有する距離撮像素子の開発を目的としている。高速な電荷変調と高い光の利用効率を実現する3タップ出力のラテラル電界制御変調素子と、補正時間を大幅に短縮できる全電子式スキュー補正回路を組み込んだTOF距離撮像素子を開発した。試作した撮像素子の評価の結果、距離分解能180umが得られたが、光源トリガ信号のタイミングゆらぎ(ジッタ)が大きな影響をおよぼすことを明らかにした。これを低減するための手法として参照光サンプリング法を考案した。これを適用した結果、距離分解能64um、時間分解能にして430fsを達成した。
従来のTOF距離撮像では、数ミリメートルの距離分解能(時間にして数10ピコ秒)しか得られておらず、その用途は「認識」用途に限られる。本研究により、100マイクロメートル以下の距離計測が可能であることが実証され、3次元スキャナなどの計測分野にも応用できる可能性が示された。また、イメージセンサ内のジッタを低減することにより、さらなる高距離分解能化も期待でき、TOF距離撮像素子の新たな応用展開が期待できる。また、要素技術として高速なロックイン検出が可能な複数出力の電荷変調素子や、スキューを短時間で補正できる全電子式スキュー補正回路も実証しており、他の時間分解撮像にも有用な技術を確立した。
すべて 2019 2018 2017 2016 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 8件、 招待講演 5件) 産業財産権 (2件)
IEEE Journal of Solid-State Circuits
巻: -
IEEE Transactions on Electron Devices
巻: Vol.63, No.1 号: 1 ページ: 182-188
10.1109/ted.2015.2447525
IEICE Electronics Express
巻: 12 号: 24 ページ: 20150911-20150911
10.1587/elex.12.20150911
130005117176