配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2015年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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研究実績の概要 |
本年度は,一般相対論及び修正重力理論における多体系ダイナミクスと重力波の理解のために,主に次の研究を行った. 1.Newton 重力における三体問題の特殊解の一として知られる Lagrange の正三角解を一般相対論的な重力場において任意の質量の三天体に対して拡張した平衡解の安定性を議論した.特に,既知の安定性解析は運動平面における摂動にのみ限定されていたことから,これを全ての可能な摂動に対する安定性の議論に拡張し,系が線形安定となる質量比に対する条件を導出した [K. Yamada & T. Tsuchiya, Celest. Mech. Dyn. Astr. 129, 487 (2017)]. 2.将来的な宇宙重力波観測機 LISA の観測対象である EMRI から放出される重力波形を作成する試みに関連して,ブラックホール摂動の二次まで考慮する必要がある.これを受けて,定常軸対称な任意の Kerr ブラックホールの地平面近傍における二次摂動を議論し,見かけの発散に対するくりこみ項を導出した.また,微小な座標変換の自由度の振る舞いも議論し,正則な解を求めた.これらの結果は現在執筆準備中である. 3.ダイナミカルなChern-Simons重力理論における回転する星の作る弱い重力場を導出し,その周りを起動運動するジャイロスコープのスピン歳差を議論した.特に,関連する先行研究 [Y. Ali-Haimoud & Y. Chen, Phys. Rev. D 84, 124033 (2011)] とは異なり,重力場の関数系を予め仮定することなく多体系に拡張可能な枠組みで調査した.その結果,先行研究では考慮されていなかった新たな効果を発見した.これらの結果は現在執筆準備中である.
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