研究課題/領域番号 |
15K00889
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食生活学
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
若林 あや子 日本医科大学, 医学部, 講師 (30328851)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 細胞外毒素 / コレラ毒素 / 損傷関連分子パターン (DAMPs) / HMGB1 / 樹状細胞 / 共刺激分子 / 食物アレルギー / 卵白アルブミン / コレラトキシン / 損傷関連分子パターン / 樹状細胞(DC) / DCIR2+ DC / 損傷関連分子パターン(DAMPs) / 細菌外毒素 / 粘膜組織 |
研究成果の概要 |
コレラ毒素(CT)はアレルギー・免疫反応を賦活するものの、その免疫誘導の詳細についてはよく分かっていなかった。我々はCTが腸管上皮細胞の細胞死を誘導すること、損傷上皮からHMGB1のような損傷関連分子パターン(DAMP)が放出されること、放出されたHMGB1が腸管樹状細胞を活性化し食物抗原に対する過剰な液性・細胞性免疫を媒介することを明らかにした。さらに、HMGB1阻害剤であるグリチルリチンのマウスへの投与によりアレルギー・免疫反応が抑制できた。 本研究によって、CTが腸管の上皮細胞死とHMGB1放出を誘導すること、HMGB1は食物アレルギーの抗原感作と進行を媒介する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
粘膜や皮膚は様々なアレルゲンが体内に入る門戸であると同時に、細菌感染などにより細胞損傷を受けやすい部位でもある。細菌外毒素により損傷した腸管上皮は損傷関連分子パターンであるHMGB1を放出し、アレルギー・炎症を引き起こす起点となることが明らかとなった。損傷上皮から侵入したアレルゲンは活性化樹状細胞に取り込まれ、T・B細胞活性化と抗体産生を誘導し、食物アレルギーを引き起こす可能性が示唆された。 食物アレルギーの予防のために、消化器急性感染時は粘膜損傷が治癒するまでアレルゲンを含む食品の摂取を控えた方がよいと考えられる。アレルギー予防の食事指針の確立に向けて、本研究結果は極めて重要な意義を持つ。
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