研究課題/領域番号 |
15K01143
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化財科学・博物館学
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
神野 恵 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 室長 (60332194)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2015年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 古代史 / 考古学 / 土器研究 / 須恵器 / 土師器 / 胎土分析 / 律令制度 / 平城京 / 蛍光X線分析 / 生産地推定 / 奈良時代 / 土器 / 産地推定 / 律令的土器様式 / 産地同定 |
研究成果の概要 |
律令期の主たる窯業製品である須恵器と土師器について、須恵器は山土を、土師器は田土を用いて作られている可能性が高いことを明らかにした、また、これまで和泉陶邑窯産と考えられていたⅠ・Ⅱ群のなかに、看過できないほどの奈良山諸窯産が含まれることを指摘した。とくに蛍光X線分析の微量元素の差異から、奈良山東部窯と陶邑窯は、峻別することが概ね可能であることを確認した。平城京近郊でも加茂盆地近傍には未発掘であるが須恵器窯が分布調査によって確認されており、平城京北郊の奈良山丘陵では東で須恵器生産、西で瓦生産という排他的な配置が、平城京遷都の時に計画されており、加茂盆地に瓶原離宮を置いた可能性を指摘した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
古代の食器に須恵器と土師器という2種類の土器が用いられていたことについて、これまで製作技法や焼成技術の観点から議論されてきたが、本研究は粘土生産地から異なる手工業生産であったことを客観的に確認した。また、先行研究では陶邑窯の製品が主体的と考えられてきた須恵器の多くが、奈良山や生駒などの平城京近郊の製品を多く含むことがわかった。さらにこれまで奈良時代後半以降、に成立するとされていた都市近郊での須恵器生産や瓦生産が、すでに平城京遷都時には綿密に都市計画に練り込まれていた可能性を指摘した。このことは、律令制下の手工業製品の生産・流通の実態や都市の成立を考えるうえでも、きわめて重要な成果と言える。
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