研究課題/領域番号 |
15K02017
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 清泉女子大学 |
研究代表者 |
原田 雅樹 清泉女子大学, 付置研究所, 教授 (90453357)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2015年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 概念の哲学 / 概念史 / 作用素環論 / 非可換幾何学 / 無限次元 / 作用素環 / amenability / 非可換エルゴード理論 / 超積 / 無限次元の有限次元近似 / ニュートンとライプニッツ / 無限小 / 力学系 / フォン・ノイマン環 / 無限 / ジュール・ヴュイユマン / ガロワ理論 / von Neumann環 / 関数解析 / 非可換積分論 / モジュラー自己同型群 |
研究成果の概要 |
量子力学は、物理量の非可換性を明らかにしたが、同時期、Banach-Tarskiのパラドクスのような非可換の無限群や測度論に関わる問題が見出されていた。量子物理学の数学的基礎付けを目指しながら作用素環論を生み出したフォン・ノイマンはまた、パラドクスを生み出さないためのamenabilityという無限群の良い性質を導入した。作用素環論は関数解析から派生したものだが、後に、ガロワ群の考え方や力学系が非可換化されながら合流し、その中で、amenabilityが有限次元近似できる無限次元作用素とも深くかかわることなどが明らかにされた。この事実は、数学の哲学を実行するうえで非常に興味深いことである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
数学の哲学というと、その基礎付けを巡って論理学、集合論、そして最近では圏論について論じられることが多く、その中で、構造やパターンといった概念を用いながら数学的対象の実在性や本質が論じられる。しかし、数学の哲学は、実際に行われている数学や数学史と離れてしまっている。その中で、フランスの「概念の哲学」に連なる数学の概念史をたどりながら、そこに哲学的分析の鍬を入れる方法論は、近年、英米圏の哲学においても重要性を帯びてきている。本研究は、その方法論を作用素環論における無限次元の構造分析に適用したものである。このような方法による数学の哲学、そして科学哲学が実行されることが期待される。
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