研究課題/領域番号 |
15K02096
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美学・芸術諸学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
石澤 靖典 山形大学, 人文社会科学部, 教授 (20333768)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2015年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | フィレンツェ美術 / 都市称揚 / 美術家列伝 / アントニオ・ビッリの書 / アノニモ・ガッディアーノ稿本 / フランチェスコ・アルベルティ―ニ / ヴァザーリ / アルベルティ―ニ / アルベルティーニ |
研究成果の概要 |
ヴァザーリの『芸術家列伝』(1550、1568年)以前に書かれたフィレンツェ美術に関する一次文献を翻訳し、それらの文献と関連する美術作品について、芸術家と都市フィレンツェの礼賛という観点から分析した。とりわけサンドロ・ボッティチェッリの《サン・バルナバ祭壇画》とクリストフォロ・ランディーノの『神曲』註解(1481年)の関連性から、祭壇画が設置されていたサン・バルナバ聖堂におけるアウグスティヌス会の理念とパトロンであったメディチ家の関係を検討した。これらの研究の結果、1480年代のフィレンツェ絵画において、ダンテの復権を意図した都市礼賛のイデオロギーが存在することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
16世紀に成立したヴァザーリの『美術家列伝』が、それ以前のさまざまな美術文献を参照しつつ執筆されたものであることはよく知られているが、ヴァザーリが、単に美術家の事実的なデータだけでなく、都市礼賛のイデオロギーともいうべきフィレンツェ美術至上主義の理念もまたそれら「ヴァザーリ以前」の記録から継承したものであることを明らかにしようとした。さらに、ヴァザーリ以前の美術史が同時代美術と有していた密接な関係性について、一連の美術家称揚の系譜のなかでとらえようとした点に学術的意義があるものと考える。
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