研究課題/領域番号 |
15K02232
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 京都造形芸術大学 |
研究代表者 |
重田 みち 京都造形芸術大学, 芸術学部, 非常勤講師 (40399069)
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研究協力者 |
古勝 隆一
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 世阿弥能楽論 / 足利将軍家 / 東福寺 / 禅 / 儒学 / 朱子学 / 連歌論 / 神道 / 世阿弥 / 能楽 / 藝道 / 室町文化 / 武家文化 / 『風姿花伝』神儀篇 / 道学(程朱学) / 『本朝文粋』「辨散楽」 / 『庭訓往来』 / 二条良基連歌論 / 『説文解字』 / 桃源瑞仙『史記抄』 / 能楽論 / 中国の詩文 / 連歌 |
研究成果の概要 |
本研究では、世阿弥が身を置いた足利将軍家周辺の文芸・学術・思想に注目し、世阿弥能楽論に当時の禅の思想、儒学その他の中国古典、平安朝漢文学などの内容が多大に投影していることを多くの事例を指摘して明らかにし、またそれが世阿弥の重要な芸道思想の形成につながっていることを突き止めた。さらに、その世阿弥の芸道思想を育てた当時の京都の社会の学術・教育環境や、将軍家文化圏における美の在りかたの意味を考察し、特に足利義持政権期が以後数世紀ににわたり継承された武家文化に特徴的な思想や美意識の発端と位置付けられる、日本文化にとって注目すべき時代であるという、以前からの自身の認識を他面からも補い強める結論を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国内外で高く評価される世阿弥の演劇論や芸道思想に、禅だけではない大陸由来の学問・思想の影響の跡が多々見出され、その芸道思想の形成にきわめて重要な役割を果たしていることを具体的に示して従来の認識を一新し、世阿弥能楽論の理解を深める画期的な成果を得た。また、世阿弥がその学問・思想を学びえた足利将軍家の周辺の学術・教育環境や美の在りかたと、以後近世を通じて継承された武家文化の美意識との関係について、世阿弥能楽論をもとに展望することができた。同時に、米国・中国・台湾等の研究者と、関連する双方の研究成果や視点について情報や意見の交換を積極的に行い、今後の関連研究の国際化に着実な一歩を進めることができた。
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