研究課題/領域番号 |
15K02322
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 和光大学 |
研究代表者 |
宮崎 かすみ 和光大学, 表現学部, 教授 (10255200)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2015年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 同性愛 / イギリス同性愛史 / 性科学 / ハヴロック・エリス / J.A.シモンズ / エドワード・カーペンター / リヒャルト・フォン・クラフト・エビング / オスカー・ワイルド / クラフト・エビング / ダーウィニズム / 婚姻史研究 / ヴェステルマルク / 夏目漱石 / ジョン・アディントン・シモンズ / 『性的倒錯』 / ワイルド裁判 / イギリス社会主義 / リヒャルト・フォン・クラフトエビング / イギリス世紀末 / 生来性犯罪者 / 変質論 / 推理小説 |
研究成果の概要 |
ワイルド裁判の前後に展開されたイギリスの同性愛研究や同性愛をめぐる言説と性科学の展開をたどった。具体的にはエリス、カーペンター、J.A.シモンズの知見と思想を関係性から分析して、ポスト・ワイルド時代のイギリスにおける同性愛史に新しい知見をもたらすことができた。またイギリスの性科学の展開を補強する視点として、先駆者であるクラフト-エビングの性科学研究史も対象とし、シモンズとの交流を明らかにし、大陸とイギリスとの性科学の関係に光を当てた。その際、同性愛の病理モデルの根源である変質論に対するそれぞれの態度の相違に注目した。ワイルド本人の書簡の翻訳も合わせて行い近く単行本として刊行する予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シモンズがエリスを誘い協力して完成したイギリス性科学の画期的著作である『性的倒錯』に、中途での急死と遺族の意向からシモンズの名前が削られたという、イギリス同性愛史の重大な事実の背後にあった二人の思想的確執を明らかにした。また、これまでシモンズと繋げられることのなかったカーペンターとの関係を掘り下げたことにより、シモンズがエリスに抱いていた違和感が明らかになり、またエリスとは異なる方法で同性愛の病理説を覆そうとしていたことも解明し、ワイルド裁判後のイギリス同性愛史に新知見をもたらす成果となった。またワイルドの書簡集を刊行予定であるが、これによりこの研究の一端を広く社会に発信することができる。
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