研究課題/領域番号 |
15K02337
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
久保 拓也 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (80303246)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2015年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | アメリカ文学 / 男性性研究 / 障害学 / リアリズム文学 / 男性学 / マーク・トウェイン / オリオン・クレメンズ / 19世紀米文学 / マーク・トウェイン研究 / 「失敗」の研究 / 男性の歴史 / ウィリアム・ディーン・ハウエルズ |
研究成果の概要 |
本研究は米国社会と文学における「失敗者」と「逸脱者」の表象に着目する。米国の特徴は「成功」に取り憑かれた社会であること。またその歴史は少数の「成功者」のあり方を重要な規範とすることで発展してきた。だが国家の物語は「その他多数」を構成する、様々な意味の「失敗者」や「逸脱者」が残した「顧みられない歴史」の中にも存在する。当研究は「成功者」と「失敗者」の両面を生きた、後者の心情をより深く熟知したマーク・トウェインやウィリアム・ディーン・ハウエルズなどの作家が残した文学作品の中に、また実際の「失敗者」や「逸脱者」が残した文書に、「困難を生きた多数」の記憶と記録が紡ぎ出す「国民の物語」の重要性を探る。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は米国社会とその文学において顧みられてこなかった「失敗者たちの歴史」を米国最大の国民作家マーク・トウェインとその関連する作家の作品に見いだし、アメリカを見つめる新たな視点へとつなげる試みにおいて独創的である。またこれは「男性性研究」と「障害学」を視点とする文学研究を進展させ、独自の地平を示すものとなる可能性をもつ。本研究はアメリカの人々の「規範への遵守」を試みる営みが、そこからの「逸脱」を促進するという矛盾するダイナミズムにこそ米国という国家の本質が表象されることを明らかにする。
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