研究課題/領域番号 |
15K02351
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 東京女子大学 |
研究代表者 |
溝口 昭子 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (00296203)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2015年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 南アフリカ文学 / モダニズム / 植民地近代 / トランスアトランティック / 国家意識 / ボーア戦争 / アパルトヘイト / 大英帝国 / 植民地 / 近代化 / 南アフリカ / 第一次世界大戦 |
研究成果の概要 |
「モダニズム的状況」はポストコロニアル的には「近代国民国家に必要な主権やリベラリズムが欠落した近代(植民地近代)を生き延びる植民地主体の状況」であり、植民地主体の国家意識は必然的に「完全な近代国民国家を希求」する。この研究では19世紀後半のケープ植民地で人種的平等を保証する国民国家に近い制度を経験した南アの白人女性作家Schreinerと黒人作家Plaatjeたちが、その後南アがアパルトヘイト国家への道を進む「モダニスト的状況」に抗して、ボーア戦争や第一次世界大戦を経て表現した「国家意識」の変容を、同時代の米国の白人黒人双方の思想家の「大西洋を越えた」影響と関連させて明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SchreinerとPlaatjeはほぼ同時代で接点もあったが、人種やジェンダーに関連した立場の違いもあり、共通するテーマや思想的背景があるという前提で論じられることが少なかった。それをポストコロニアル的観点から定義されるモダニズム、戦争体験、White Perilという共通項を見出した上で、両者の「近代国民国家への希求」が汎アフリカニズムの影響を受け、植民地主義を内包する西洋近代そのものへの批判や、暴力に苦しむ非支配者間の平和主義的連帯を含むようになったという側面に光を当てた意義は大きく、またPlaatje研究をする上で欠かせないDhlomoの国家観も考察しえたことの意義は大きい。
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