研究成果の概要 |
冠詞選択に関する有名なプロセスモデルのうち、Master (1990) のモデルと類似したプロセス・モデルを使用して、日本人英語学習者が冠詞選択を行っていることを発見した。そのモデルに従い、なぜ日本人学習者が正しい冠詞の選択が出来なかったかを分析した結果、無冠詞や不定冠詞に関しては, 学習者は指示対象物を「個別的」なものと考えた場合には, 排他的に「一般的」なものを指さないと考え, 定冠詞を選択した可能性があることが判明した。また、最近の第二言語習得研究のモデルと異なり、「定・不定」だけでなく、「一般性」の基準を考慮しないと不可算名詞・抽象名詞の場合の冠詞選択の説明が困難であることを示した。
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