研究課題/領域番号 |
15K03860
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 流通経済大学 |
研究代表者 |
恩田 守雄 流通経済大学, 社会学部, 教授 (00254897)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2015年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 互助ネットワーク / 互酬的行為 / 再分配的行為 / 支援(援助)的行為 / 集団主義と個人主義 / 互助制度の社会的移出入 / 東南アジア的互助社会 / 相互扶助 / ミタバン・タバン / ザリウア / タタバンア / 集団主義 / ゴトンロヨン(相互扶助) / ドュイットウンディ<クトュ>(金融互助) / 自生的な社会秩序 / クラインゲセウ(klaingeseu、相互扶助) / シュワスペネ(sawaspene、相互扶助) / ムシン(無尽) / 互助慣行の移出入 / ローンケーク(労力交換) / シェア(小口金融) / ナムチャイ(思いやり)の心 / エスニック・アイデンティティ / マイペンライ(寛容の精神) / ゴトン・ヨロン(相互扶助) / アリサン(小口金融) / ザカート(イスラム教の喜捨) / プニア(ヒンズー教の喜捨) / バヤニハン(相互扶助) / アブロイ(葬儀慣行) / パルワガン(小口金融) |
研究成果の概要 |
日本の田植えの労力交換のユイ、共同作業などのモヤイ、冠婚葬祭のテツダイの慣行が東南アジアにも存在する。フィリピンでは相互扶助のバヤニハンからユイに当たるスユアン、金融互助のパルワガンがある。インドネシア東ジャワではゴトン・ロヨンの相互扶助が顕著で日本の隣組の組織が機能し、バリ島ではユイとしてサリン・ツルンガン、庶民金融のアリサンがある。タイではナムチャイ(思いやり)からローンケーク(労力交換)がされ、小口金融のシェアがあるが少数民族ではない。マレーシアではユイ組の稲刈り組織、金融互助ではドゥット・ウンディがあり、サバ州イラヌン族では米作手助けのザリウアが見られる。これらは地方では健在である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
互助行為について日本と東南アジア(フィリピン、インドネシア、タイ、マレーシア)との国際比較によってその類似と相違から個々の互助ネットワークを明らかにし、互助制度が共通に見られる普遍性及び国や地域による差異が表れる固有性の社会構造を解明する点、またその制度の相互浸透による影響に着目する「社会的移出入」の仮説を検証する点で、さらに各国互助社会の通底にある共通の構造から「東南アジア的互助社会」を考察する点で、これまでにない先駆的な研究として学術的意義をもつと思われる。なお一般の人々に向けては、改めて人と人とのつながりや絆について考える契機を与える意味で社会的意義を有するものと考える。
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