研究課題/領域番号 |
15K03931
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会福祉学
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
宇都宮 みのり 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (80367573)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 精神病者監護法 / 精神病院法 / 精神衛生法 / 精神保健福祉ボランティア |
研究成果の概要 |
近代日本の精神病者政策における「保護」と「公安」の二面性は、法の改廃過程にも、法の運用過程にも、時に人権侵害・剥奪の認識としても、いずれかの価値が強調されながら歴史的に繰り返し立ち現れていた。第二次世界大戦までの精神病者政策上の課題は、精神病者の「保護と公安」「治療と収容」「発病予防と出生制限」「優生および断種」へと、戦争に向かう社会情勢の中で質を変化させ、「公安」に傾斜していった。戦後の法改廃過程にも、法の運用過程にも、精神病者が関連する事件報道にも、いずれかが強調されながら二面性議論は歴史的に繰り返し現れる。社会圧力を強く受け公安に傾くことが、精神病者政策史を構成する典型である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
精神科医療で行われる非自発的介入ないしは強制介入の権限の根拠には、ポリス・パワー思想とパレンス・パトリエ思想がある。今後の精神保健福祉政策が構築すべき方向は精神病者の権利擁護と福祉実現の見地から医療保護の必要性を根拠とするパレンス・パトリエ思想にあろう。しかし精神病者が関与する社会的事件が発生すると、社会の安全を優先する議論が見えない形で優位になることが歴史的に繰り返されている。本研究成果は、現在の精神保健福祉領域に実践上、生活上に立ち現れる、特に権利擁護に関わる諸問題を理解する際においても、長期的な政策展望を検討する際にも基盤的理論となりうるものである。
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