研究課題
基盤研究(C)
人工甘味料摂取がラットの体重と砂糖を強化子とするレバー押し行動に与える影響を検討した。人工甘味料摂取により、甘みに対して生じる条件性満腹感が消去され、餌の摂取量と体重が増加することが予測された。加えて、砂糖に対するレバー押し行動も増加し、そのセッション内減少が緩やかになることも予測された。実験の結果、上記の仮説を支持する結果を得た。ただし、飼育に用いる餌の種類によって結果が異なることも判明した。
人工甘味料摂取がラットの体重と飼育用餌の摂取量を増加させる場合がある結果は、先行研究と一致する。加えて、その場合に砂糖を強化子とするレバー押し行動が増加し、レバー押し行動のセッション内減少が緩やかになることは、甘味に対する条件性満腹感の消去が餌摂取量増加と体重増加の原因であるとの仮説を支持する。これらのデータは、人工甘味料摂取が、通常の目的と反対に、体重増加をはじめとする健康悪化につながる可能性を示す一方、条件づけ原理の応用により悪影響を緩和できる可能性をも示唆する。ただし、人工甘味料摂取の効果は飼育用餌の影響を受けたことから、人間の日常生活における影響は慎重に見極める必要がある。
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Appetite
巻: 105 ページ: 8-13
10.1016/j.appet.2016.05.008
https://psych.doshisha.ac.jp/staff/aoyama/studyc.html