研究課題/領域番号 |
15K04799
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
平田 典子 (河野典子) 日本大学, 理工学部, 教授 (90215195)
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研究協力者 |
DAVID Sinnou
BUGEAUD Yann
LUCA Florian
川島 誠
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2018年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2015年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 多重対数 / パデ近似 / エルミート-パデ近似 / ディオファントス近似 / 多重対数予想 / 漸近展開 / 直交多項式 / 数論的近似 / 対数関数 / リーマンゼータ関数 / Lerch関数 / 無理数 / 1次独立性 / 定量的無理数度 / p進解析 / 超越数 / 楕円対数 |
研究成果の概要 |
パデ近似というディオファントス近似は,数の数論的性質を調べる手法である.多重対数の無理数性や超越性については多くの予想がたてられていたが,代数的数における多重対数関数の値の無理数性に関する統一的な結果は存在していなかった.先行研究において多重対数を有理数体に添加したベクトル空間の次元の評価がT.Rivoalによって得られていたが,多重対数の無理数性や一次独立性はこの方法では得られなかった.研究代表者は国内外の研究協力者との研究討議の結果,代数的数での多重対数関数の代数体上の一次独立性や無理数性について,かつて予想であった新結果を具体例と共に得た.周期的係数を持つ級数の新しい無理数性も解明した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
素数は人を魅了してやまないが,素数を解明する大切な関数にリーマンゼータ関数がある.リーマンゼータ関数と類似の性質をもち,工学にも頻繁に登場する多重対数関数という関数がある.これは対数関数の一般化であり,対数関数を表す積分表示の反復で記述される一変数関数である.多重対数関数を研究することはリーマンゼータ関数のみならず,数の性質および種々の自然現象を解明することに資する.多重対数関数の値の考察に効果的なパデ近似という手法を発展させて,我々は新しい無理数を発見したが,このように整数論の予想に近づく成果を得たことは,我が国の基礎科学の地位を高め,数学や整数論そのものに対しても新たな道を拓くものである.
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