研究課題/領域番号 |
15K04964
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数学解析
|
研究機関 | 東北大学 (2018) 公立はこだて未来大学 (2015-2017) |
研究代表者 |
高村 博之 東北大学, 理学研究科, 教授 (40241781)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2015年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 波動方程式 / 非線形 / 初期値問題 / 微分損失 / 時間減衰 / 時間大域存在 / 有限時間爆発 / 高次元 / 半線形消散波動方程式 / エネルギー解 / ライフスパン / 臨界指数 / Strauss指数 / 半線形波動方程式 / 半線形熱方程式 / シュトラウス指数 / 藤田指数 / スケール不変消散項 / 解の最大存在時間 |
研究成果の概要 |
空間次元が4以上の高次元時空では、波動方程式の基本解にいわゆる「微分損失」が含まれる。そのことが、高次元における解の各点評価による非線形問題の解析を困難にしている大きな原因の一つになっている。本研究では、小さい初期値とベキ型非線形項をもつ方程式と同値な積分方程式において、非線形項に含まれる微分損失は解の最大存在時間に影響を与えず、それを取り除くと、微分方程式に非線形項の時間微分の非局所項が出現することを明らかにした。また、線形項に含まれる微分損失は解の時間減衰の主要部であり、それを取り除くと解の時間減衰が速くなり、解の時間大域存在と有限時間爆発を分ける臨界指数が下がることも明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
空間次元が3までの時空間における様々な現象は、実体験として容易に想像し得るものであるが、数学や物理ではそれ以上の高次元空間を考えて事象を解析することが自然になりつつある。特に、自然現象を記述する偏微分方程式を数学で統一的かつ厳密に扱う場合、空間次元を一般化しておくことは重要な課題の一つとなっている。本研究はその中で、ほとんど解明されてこなかった高次元波動方程式の解の性質を、あえて困難な各点評価を用いることによって明らかにした。この成果は今後、より実際の現象に近い摩擦現象を考慮した消散項付き波動方程式に応用されたり、その分野の研究の位置付けの中で重要な存在になると思われる。
|