研究課題
基盤研究(C)
将来の衛星に搭載を検討しているドップラー風ライダー(DWL)が、数値予報精度の改善にどれくらい貢献できるか調査した。そのために、仮想的なDWL観測データの作成、DWLデータを数値予報システムに取り込む(同化する)ための処理の開発や、数値予報精度の評価手法の改良を行った。同化システムを用いた実験から、DWL観測データを新たに利用することにより数値予報精度が改善し、特に熱帯域で数値予報精度の改善が大きい(最大2%)こと、DWLを同化するための品質管理処理が重要であることなどが明らかになった。
本研究は、衛星搭載DWLが数値予報精度の改善に有用であることを示した。これは先行研究でも示されてきたが、本研究では新たに、単純にDWLを同化するだけでは却って悪化する場合もあり、季節等に依存した品質特性の違いを反映させるなどして、精緻な品質管理処理や観測誤差設定を開発する必要があることを示した。また本研究で構築した疑似観測データの作成・評価手法は、DWLに限らず他の大規模観測システムにも応用が可能であり、今後の様々な観測システムの検討に有用な手段となりうる。
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気象集誌. 第2輯
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