研究課題/領域番号 |
15K06306
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
伊藤 是清 東海大学, 九州教養教育センター, 教授 (50380663)
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研究分担者 |
小山 智幸 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (50215430)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | Concrete / Sulfuric Acid / Weak Acid Environment / Fly Ash / Blast Furnace Slag / Durability / 硫酸 / 弱酸性 / 混和材 / フライアッシュ / 高炉スラグ微粉末 / 外割混合 / 耐久性 |
研究成果の概要 |
本研究では、弱酸性環境下におけるコンクリートの硫酸劣化に及ぼす水セメント比やフライアッシュ混合量の影響ついて検討した。pH4~5の硫酸溶液に浸漬したモルタル試験体の内部の中性化フロントの周辺に硫黄元素の濃集層が形成されることをXRF試験によって確認した。これらの結果は、弱酸性の土壌中に14年間埋設されたコンクリート試験体と概ね同様の傾向を示すことを確認した。硫酸イオンの侵入は、フライアッシュの混合量(セメント量を一定として混合)が多いほど、水セメント比が低い試験体ほど抑制されており、弱酸性の硫酸劣化においては、強酸性の場合の硫酸劣化とは逆に、硬化体組織を緻密化することが有効であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究のように、pH4~5の弱酸性領域を対象とし、硫酸による劣化過程を物質の移動や腐食物質生成の視点から実験室実験と暴露実験によって長期的に検討した研究はあまり見あたらない。また、弱酸性の硫酸劣化においては、緻密な硬化体ほど劣化の抑制効果が大きいことを明らかにし、石炭火力発電所から発生する産業副産物であるフライアッシュを所定のセメント量を確保した上で大量混合することは有効であることを示した。よって、本研究の成果は弱酸性環境下におけるコンクリート構造物の硫酸劣化の対策方法や耐久設計法の確立だけでなく、資源の有効利用によるセメント・コンクリート分野の環境負荷低減にも大きく貢献するものと考えられる。
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