研究課題
基盤研究(C)
脳側坐核のD1R-MSNにおいてドーパミンはD1受容体、Gαsを介してPKAを活性化する。一方、D2R-MSNにおいてドーパミン/D2受容体/Gαi経路はアデノシン/A2A受容体/Gαs経路と拮抗している。D2受容体はドーパミンによって常時活性化されており、ドーパミン分泌が低下すると抑制が解除され D2R-MSNにおけるPKAが活性化する。活性化したPKAはRap1の活性化因子GEFであるRasGRP2をリン酸化し活性化するとともに、Rap1の不活性化因子GAPであるRap1GAPをリン酸化し不活性化する。これによりRap1/MAPKシグナルが活性化し、神経細胞の興奮性が亢進する。
抗精神病薬や抗うつ薬がドーパミンやセロトニンなどのモノアミンの作用を制御していることはよく知られているが、脳内においてどのような分子メカニズムによってその作用を発揮しているかは驚くほどわかっていない。本研究により側坐核の中型有棘神経細胞においてドーパミン受容体の下流で低分子量G蛋白質Rap1が神経細胞の興奮性を制御することで、情動を生み出すスイッチとして働いていることが明らかになった。本研究のようなアプローチで細胞内シグナル伝達機構を解明することによって、新たな治療ターゲットの発見に繋がると考えられる。
すべて 2019 2018 2017 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 4件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 9件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Genes Brain Behav
巻: 印刷中 号: 8
10.1111/gbb.12478
Scientific Reports
巻: 8 号: 1 ページ: 14413-14413
10.1038/s41598-018-32840-1
Neurochemistry International
巻: 122 ページ: 8-18
10.1016/j.neuint.2018.10.008
The Journal of Biochemistry
巻: 165 号: 4 ページ: 301-307
10.1093/jb/mvy115
Neuropeptides
巻: 16 ページ: 30121-30124
10.1016/j.npep.2016.12.010
Cell Structure and Function
巻: 41 号: 2 ページ: 105-120
10.1247/csf.16011
130005405432
Frontiers in Synaptic Neuroscience
巻: 8
10.3389/fnsyn.2016.00015
Neurosci Lett.
巻: 630 ページ: 45-52
10.1016/j.neulet.2016.07.020
Trends in Pharmacological Sciences
巻: 37 号: 10 ページ: 858-71
10.1016/j.tips.2016.07.003
Synapse
巻: 70 号: 12 ページ: 508-518
10.1002/syn.21924
Acta Neuropsychiatrica
巻: 28 号: 2 ページ: 117-123
10.1017/neu.2015.51
Neuron
巻: 89 (3) 号: 3 ページ: 550-65
10.1016/j.neuron.2015.12.019
巻: 5 号: 1 ページ: 8694-8694
10.1038/srep08694
Nature Neuroscience
巻: in press 号: 5 ページ: 698-707
10.1038/nn.3984
Biochemical and Biophysical Research Communications
巻: 463 号: 4 ページ: 999-1005
10.1016/j.bbrc.2015.06.049
http://www.med.nagoya-u.ac.jp/medical/dbps_data/_material_/nu_medical/_res/topix/2015/Rap1_20160122jp.pdf