研究課題
基盤研究(C)
免疫系には特異性というルールが存在し、このルールが正しく守られていなければ、種々の感染によって病原体とは全く無関係な免疫細胞が増殖し活性化してしまう。我々はマラリア感染において、免疫応答が非特異に活性化・活性化制御されることを見出した。この特徴的なT細胞の変動は、赤血球からのATP放出をブロックすることで阻害された。さらにATPの代謝産物であるアデノシンが免疫応答を非特異に抑制することが示唆された。
マラリア感染における非特異的免疫抑制の分子メカニズムの解明に近づく結果が得られた。この結果から、マラリア流行地におけるほかの感染症の複合感染の重症化メカニズムや、逆にマラリア流行地ではほとんど見られず、先進国において問題となっているアレルギーや自己免疫疾患の治療戦略に対するヒントが得られたと考えている。本研究をさらに発展させることで、マラリア患者の複合感染症対策や、先進国におけるアレルギー・自己免疫疾患対策だけでなく、新規マラリア治療戦略の発展も期待できるものである。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
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