研究課題
基盤研究(C)
けいれん重積型脳症(AESD)は発症時に熱性けいれん(FS)との区別が困難である。本研究では、AESDにおいて脳内でのビタミンB6欠乏が何らかの役割を演じているという仮説を立て、その検証を試みた。AESD患者5名とFS患者18名の髄液検体を分析対象とした。AESDではFSよりも髄液中ピリドキサールリン酸(PLP)が低値の傾向であり、PLP/ピリドキサール比が有意に低かった。PLP低値、PLP/ピリドキサール比低値がAESDの原因とは結論できないものの、AESDの発症危険因子かも知れない。他のマーカーと組み合わせることにより、この所見は発症時点においてAESDをFSから区別する一助になりえる。
けいれん重積型脳症は発症時点において熱性けいれんとの区別が困難であり、かつ後遺症の頻度が高いのが問題である。発症時点でけいれん重積型脳症の可能性が高い患者を見つけることができれば、より積極的な治療を行うことにより数日後の発作(晩期発作)と後遺症の予防につなげられるかも知れない。けいれん重積型脳症では、熱性けいれんではみられない髄液ビタミンB6代謝の変化が発症時点で起こっている可能性が本研究で示された。この成果は、けいれん重積型脳症を早い段階で熱性けいれんと区別するのに有用な可能性がある。
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