研究課題
基盤研究(C)
一般的に内科治療が推奨される無症候性の頚動脈狭窄症のなかで、特に発症リスクの高い病変、すなわち外科治療の必要性が高い病変の診断を目的とし、MRIでプラーク内出血を有する無症候性頚動脈狭窄患者の内科的治療成績を3年間追跡することとした。予定期間中に目標登録数に達しなかったため、研究継続中である。平成30年度終了時点で登録数は60例で、平均11.9か月の観察期間中に5例のエンドポイント発生があった。年間発症率は8.3%であり、最近の内科治療について報告されている1%未満を大きく上回っている。無症候性頚動脈狭窄症における適切な治療方針を確立する上で極めて有用な情報が得られるものと期待できる。
無症候性頚動脈狭窄症は近年の内科治療成績の向上に伴い、一般的には内科治療が推奨されている。本研究の中間結果は、無症候性狭窄の中でも非侵襲的画像診断であるMRIでプラーク内出血を有する病変においては、一般に報告される内科治療成績に比べて約10倍程度脳梗塞発症リスクが高いことが示されている。最新の多面的内科治療によっても虚血発症を防ぎ得ない「真に外科治療を必要とする一部の無症候性病変」を非侵襲的な方法で正確に抽出できる可能性が高く、脳梗塞の確実な予防による健康寿命の延伸と, 高額な侵襲的治療の減少による医療費の削減が両立できると期待される。
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