研究課題/領域番号 |
15K10549
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔科学
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
多田羅 恒雄 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30207039)
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研究協力者 |
中本 志郎
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2017年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | グリコカリックス / 炎症 / 血管収縮薬 / 輸液 / 1回拍出量変化量 / glycocalyx / ヒドロキシエチルデンプン / Glycocalyx |
研究成果の概要 |
【1】ヒドロキシエチルデンプン(HES)製剤が高分子ゲル構造におよぼす影響:アルブミンがグリコカリックスの成分であるヒアルロン酸の部分モル体積を減少させる一方、HES製剤はヒアルロン酸の固有粘度を減少させることが明らかとなった。この結果は、アルブミンがヒアルロン酸構造を安定化させるのに対し、HESがヒアルロン酸を“硬く”することを示唆している。 【2】血管収縮薬の持続投与が肝切除中の輸液量におよぼす影響:血管収縮薬の持続投与は、肝切除中の総輸液量に有意な差をもたらさなかった。これは、HESボーラス終了時の1回心拍出量変化量減少の違いがコントロール群にくらべてわずかであったためであると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大手術や敗血症などの重症患者では、輸液は微小循環を改善させる有力な手段である。今回、アルブミンがグリコカリックスの構成成分であるヒアルロン酸の部分モル体積を減少させる一方、人工膠質液であるHES製剤はヒアルロン酸の固有粘度を減少させることが明らかとなった。つまり、アルブミンがヒアルロン酸構造を安定化させるのに対し、HESはヒアルロン酸を“硬く”する。この作用が生体内でも発揮されれば、HESが炎症によるグリコカリックスの崩壊を軽減する可能性がある。この結果は、HES製剤の臨床使用に新たな活路を見出すものであり、重症患者の予後を改善する一助となるため社会に大きく貢献すると期待される。
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