研究課題/領域番号 |
15K14583
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
進化生物学
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
土田 努 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 准教授 (60513398)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 内部共生 / 昆虫共生 / 菌細胞 / ゲノム解析 / コナジラミ / 共生器官 / 共生微生物 / 遺伝 / 共生 / タバココナジラミ / ゲノム進化 |
研究成果の概要 |
多細胞生物の体は、単一の生殖細胞に由来する細胞の集合体であると、常識的に考えられている。しかし、我々はタバココナジラミBemisia tabaciを対象とした解析を行い、その必須の共生細菌を収納する細胞である“菌細胞”は、独自の遺伝機構を持ち、他の体組織の細胞とはゲノム組成まで異なっていることを明らかにした。一方、近縁種では、菌細胞ゲノムの遺伝様式は体細胞同様に両性遺伝で説明することが可能であり、母系遺伝の証拠は検出されなかった。タバココナジラミの菌細胞および体細胞のミトコンドリアゲノムは同一であり、タバココナジラミ菌細胞ゲノムの母系遺伝様式は比較的最近に獲得されたものであることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多細胞生物の体は、単一の生殖細胞に由来する細胞の集合体であると、常識的に考えられている。しかし、我々の研究は、タバココナジラミBemisia tabaciにおいて、必須の共生細菌を収納する細胞である“菌細胞が、独自の遺伝機構を持ち、他の体組織の細胞とはゲノム組成まで異なっていることを明らかにした。これは、従来の多細胞生物の概念を大きく変えうるものである。種数、個体数ともに最大のグループである昆虫類には、菌細胞を持つものが多く存在し、このような遺伝様式はこれまで着目されてこなかっただけで、多くの生物に共通する機構である可能性もある。
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