研究課題/領域番号 |
15K16131
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
放射線・化学物質影響科学
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 (2016-2019) 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 (2015) |
研究代表者 |
野口 実穂 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学領域, 主幹研究員(定常) (40455283)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 放射線 / 老化 / オートファジー / X線誘発老化 / LC3 / DNA損傷応答 / 線維芽細胞 / 老化様増殖停止 / 老化様細胞増殖停止 / 長期細胞周期停止 / アポトーシスの回避 |
研究成果の概要 |
放射線照射を受けた細胞では損傷タンパク質や細胞小器官の蓄積により生理機能が阻害されアポトーシスが誘導されることを防ぐため、オートファジーを活性化させているのではないかと仮定し、その解明に向けて様々な実験を行ってきた。20GyのX線を照射されたヒト線維芽細胞は照射8日目にはほぼすべての細胞で老化することが分かった。また、照射後のLC3-IIタンパク質の発現量からオートファジー活性も上昇することが分かった。このことから、照射で生じた損傷タンパク質や細胞小器官はオートファジーにより除去され、オートファジーが細胞の生理的機能の維持に大きな役割を担っていることを明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞老化は細胞死による組織の縮小や発ガンを回避することが可能である一方、様々な加齢性疾患と関係があることが近年明らかになってきている。しかし、放射線治療を主眼とした放射線の細胞影響は主に細胞分裂能の喪失により評価されてきたことから、放射線照射を受けた細胞が細胞分裂能は喪失したものの老化して生存している場合の細胞の機能的評価はいまだ少ない現状にある。放射線誘発老化細胞は放射線治療後の晩期障害の発生とも大いに関係すると考えられる。そのため、放射線誘発老化細胞の生理機能の一つとして、オートファジーの活性について明らかにした成果は学術的、社会的に大きく貢献できる成果であると考えられる。
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