本研究ではLEDに着目し、紙資料を対象とした展示照明管理基準の検討で求められる基礎情報の集約を目的に、LEDの特性評価と国内・国外の照明管理の現状を調査した。 LED導入後の展示照明管理基準は世界的に定まっておらず、調査した全ての機関において、従来の展示照明管理基準のまま運用されていることを明らかにした。さらに、日本の場合は推奨照度(lx)が重視されるのに対し、国外では年間累積照度(lx・h/y)を基準にした管理が浸透していた。また、幾つかの国内機関では資料替えがされず、同一資料が長期間展示されていたり、高い照度値で資料展示される事例も確認され、展示照明管理の適正化に向けた検討を行った。
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