研究課題/領域番号 |
15K17191
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
小宮 友根 東北学院大学, 経済学部, 准教授 (40714001)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2015年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | エスノメソドロジー / 会話分析 / ジェンダー / 性暴力 / 裁判員制度 / 裁判員評議 / 刑事司法におけるジェンダーバイアス |
研究成果の概要 |
本研究では、性暴力事件の判決文の概念分析および模擬評議の会話分析を通じて、法的推論における常識的知識の身分とその役割をあきらかにすることを試みた。 判決文の分析からは、裁判官の用いる「経験則」の「もっともらしさ」が「当座のアプリオリ性」という常識的知識の身分にあることをあきらかにし、そのことをふまえた批判的検討の必要性を示した。 模擬評議の会話分析からは、裁判員が用いる常識的知識のタイプと意見表明の相互行為上の位置に関連があることを示し、意見表明のもつ行為としての理解可能性(「反論」「正当化」etc.)とともに法的推論に対する常識的知識の役割を考察する必要があることをあきらかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2018年、強姦罪の強制性交等罪への改正がおこなわれ、その附帯決議には強制性交罪の「暴行又は脅迫」要件および準強制性交罪の「抗拒不能」要件について、専門的知見を踏まえた検討の必要性が記された。そこで想定されているのは心理学的・精神医学的知見であるが、「暴行」「脅迫」「抵抗」といった概念は社会成員が日常生活の中で用いるものであり、「同意」の理解もまたそうした概念使用のもとでおこなわれるものである。したがって、本研究が示したことは、まさにそうした諸概念が常識的知識として法的推論の内でいかに働くかを考察する上で不可欠のことがらであり、今後の刑法見直しに向けて重要な視点を提供しうるものである。
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