研究課題/領域番号 |
15K17271
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
教育心理学
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研究機関 | 中部大学 (2018) 浜松医科大学 (2015-2017) |
研究代表者 |
伊藤 大幸 中部大学, 現代教育学部, 講師 (80611433)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2015年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ユーモア / 感情 / 自閉症スペクトラム障害 / fMRI |
研究成果の概要 |
筆者は以前の研究でユーモアを喚起する3つの認知的要因を同定し、それらによってユーモアの変動の大部分を説明できることを実証した。本研究では、ASD者と定型発達者において、ユーモアと3つの認知的要因の神経基盤や相互の機能的結合性にどのような差異があるかを検討した。定型発達者35名、ASD者18名を対象にfMRI実験を実施した結果、ASD者は①幼少期の子どもと同様、主に状況の特異性に反応してユーモアを感じている、②ユーモアや個々の認知的要因に関わる脳活動の水準には定型発達者との差が見られない、③ユーモア感情に関わる小脳と状況理解に関わる領域の機能的結合性が弱く、情報統合に困難があることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義:ASD者のユーモアについて世界的に初めてfMRIを用いて検証し、①従来区別されていなかったユーモアの3つの認知的要因(体制化、特異性、無意味性)が相互に独立した神経基盤を持つこと、②ASD者のユーモア処理は定型発達者と質的に異なるのではなく、発達的により原初的な段階にあること、③ASD者はユーモアの中核的な処理の神経基盤には障害を持たないこと、④ASD者では体制化に関連する脳領域とユーモアの感情的処理に関わる小脳の機能的結合性が弱いことを明らかにした。 社会的意義:対人相互作用において重要な役割を果たすユーモアの障害のメカニズムの一端を示し、臨床的支援の手がかりをもたらした。
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