研究課題
若手研究(B)
本研究の主要な目的は,視覚教材において認知特性を考慮して最適な物体描写を行ううえで,視覚的な典型的大きさという特性がどの発達段階で出現するのかを検討することであった。実験の結果,6歳児においても,単一の物体を紙に描画する際,小さい物体は小さく描き,大きな物体は大きく描くという傾向が観察され,視覚的な典型的大きさが形成されていることが示唆された。このことから,小学生以上を対象にした教材においては,この典型性を考慮して教材を作成することの有効性が実証された。
本研究の成果により,小学校1年生に相当する年齢以上の学習者に対して,初見で実際の大きさが不明な物体を視覚教材で提示する際に,枠線内での描画の大きさを実物の大きさに応じて調整することで,より正確にその物体の大きさが理解される可能性が示唆された。大きさを正確に伝達することにより,その物体の用途や特徴などについての誤解の発生が抑制され,正確な内容の学習が保証されることが期待される。
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