研究課題/領域番号 |
15K17536
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
幾何学
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
高津 飛鳥 首都大学東京, 理学研究科, 准教授 (90623554)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2015年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 最適輸送理論 / 情報幾何 / 測度距離空間 / 熱流 / エントロピー / 凸性 / 曲率 / 測度の集中 / 測度の集中現象 |
研究成果の概要 |
申請者はWasserstein幾何と情報幾何において、熱流の大域挙動が鍵となることを鑑みて、大域挙動の観点を用いた両幾何の融合を目指した。そして申請者は東京大学の石毛和弘氏とフィレンツェ大学のPaolo Salani氏との共著にて、ユークリッド空間の熱流が保つ最も強い凹性が対数凹性ではないことを証明し、熱流で保たれる最強の凹性が何であるかを決定した。 この最強の凹性はその出自により、情報幾何の指数分布族に関する理論とWassrstein幾何における相対エンロトピーの凸性の概念を同時に一般化することが大いに期待できる。このように本研究では最適輸送理論と情報幾何の融合に貢献することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
H.J.BrascampとE.H.Liebが1976年に打ち出した不等式以降、対数凹性は熱流に最適とされ、熱流の漸近解析や形状解析などの大域解析の軸になっていた。よって上記で述べた熱流で保たれる最強の凹性が対数凹性ではないという事実、および熱流で保たれる最強の凹性を決定した事実は、熱流の大域解析に新機軸を与える。特に熱流におけるこの最強の凹性の保存則を導くエントロピーの凸性、およびそのエントロピーの凸性から得られる幾何学的条件を明らかにすることは、熱流の大域挙動に関わる幾何学、曲率の条件をかした幾何解析に新展開を持ち込むことが期待できる。
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