研究課題
若手研究(B)
体積を保存する可微分力学系のエルゴード理論における幾何学的手法の拡張について研究を行なった.力学系に付随する葉層対が接触を許容する場合にも,葉層や相空間の次元に関する仮定の下,いわゆるHopf議論を拡張した.応用として,3次元多様体上の非一様双曲型力学系については,ある位相的な条件からエルゴード性が従うことを明らかにした.また位相推移的なAnosov型力学系に位相共役な非一様双曲型力学系のエルゴード性を示した.
力学系のエルゴード理論における基本的かつ重要な問題の一つに,与えられた力学系のエルゴード性を判定する問題がある.この問題は,数論的変換が定める力学系などの特殊な場合を除けば,一般に極めて難しい問題である.ところでAnosov型とよばれる可微分力学系については,Hopf議論とよばれる手法により,いわば幾何学的にエルゴード性を示すことができる.本研究ではこの手法を,Anosov型力学系より広範な,そして十分に一般的な力学系について拡張することを目指し,次元に関する仮定の下でこれを実現した.
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Ergodic Theory and Dynamical Systems
巻: 38 号: 8 ページ: 3042-3061
10.1017/etds.2016.136
巻: 印刷中 号: 5 ページ: 1494-1515
10.1017/etds.2014.124