高分子電解質ブラシのイオン解離促進に向けたX線小角異常散乱法による構造解析

• 研究課題/領域番号: 15K17914
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 高分子・繊維材料
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 村上 大樹 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教 (80588145)
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2017-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2016年度)
• 配分額: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円); 2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円); 2015年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
• キーワード: 高分子ブラシ / 界面構造 / X線小角異常散乱法 / 原子間力顕微鏡観察 / 高分子電解質ブラシ / イオン解離 / 面内相分離 / 原子間力顕微鏡 / 対イオン分布 / X線小角異常散乱

研究成果の概要

高分子電解質を固体基板表面に化学的に結合した高分子電解質ブラシは、その超親水性や低摩擦性などから、広い分野での応用が期待される化合物である。しかし最近の研究では高分子電解質ブラシはブラシ薄膜中で完全にはイオン解離しておらず、そのために十分な性能が発揮されていないことも指摘されている。本研究ではイオン解離を十分に促進された高分子ブラシを作製することを目的に、ブラシ内部でのイオン分布をX線小角異常散乱法により解析し、ブラシ作成条件の検討の目安とすることを当初目的とした。その過程で高分子が水界面でミクロな凝集構造をとっているという、今後のブラシ構造制御に極めて重要かつ新規な知見の発見に成功した。

研究成果

• [雑誌論文] Direct Characterization of In-Plane Phase Separation in Polystyrene Brush/Cyclohexane System (2016)
  • 著者名/発表者名: D. Murakami, Y. Norizoe, Y. Higaki, A. Takahara, H. Jinnai
  • 雑誌名: Macromolecules 巻: 49 号: 13 ページ: 4862-4866
  • DOI: 10.1021/acs.macromol.6b00151
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Interfacial Structures and Fibrinogen Adsorption at Blood-Compatible Polymer/Water Interfaces (2016)
  • 著者名/発表者名: Daiki Murakami, Shingo Kobayashi, Masaru Tanaka
  • 雑誌名: ACS Biomaterials Science and Engineering 巻: 2 号: 12 ページ: 2122-2126
  • DOI: 10.1021/acsbiomaterials.6b00415
  • 査読あり
• [学会発表] バイオ界面における面内相分離構造と抗血栓性との相関 (2016)
  • 著者名/発表者名: 村上大樹
  • 学会等名: バイオマテリアル学会シンポジウム2016
  • 発表場所: 福岡国際会議場
  • 年月日: 2016-11-21
• [学会発表] 細胞挙動制御に及ぼすバイオマテリアル／水界面微細構造の効果 (2016)
  • 著者名/発表者名: 村上大樹
  • 学会等名: 第65回高分子学会討論会
  • 発表場所: 神奈川大学横浜キャンパス
  • 年月日: 2016-09-14
• [学会発表] 血液適合性高分子の界面構造と機能相関の解明 (2016)
  • 著者名/発表者名: 村上大樹
  • 学会等名: 第45回医用高分子シンポジウム
  • 発表場所: 産業技術総合研究所 臨海副都心センター
  • 年月日: 2016-07-25
• [学会発表] 生体親和性高分子／水界面に自発形成される微細構造と機能相関の研究 (2016)
  • 著者名/発表者名: 村上大樹
  • 学会等名: 第65回高分子学会年次大会
  • 発表場所: 神戸国際会議場
  • 年月日: 2016-05-25
• [学会発表] 血液適合型高分子の界面特性解析 (2016)
  • 著者名/発表者名: 村上大樹
  • 学会等名: 繊維学会西部支部講演会
  • 発表場所: 九州大学（福岡県）
  • 年月日: 2016-03-04
  • 招待講演
• [学会発表] 抗血栓性高分子の界面構造と機能相関の研究 (2016)
  • 著者名/発表者名: 村上大樹
  • 学会等名: 日本バイオマテリアル学会九州講演会2016
  • 発表場所: 熊本大学薬学部（大江地区）宮本記念館
• [学会発表] 生体適合性高分子／水界面の構造解析と中間水理論の考察 (2015)
  • 著者名/発表者名: 村上大樹，北原洋子、小林慎吾、田中賢
  • 学会等名: 第37回日本バイオマテリアル学会大会
  • 発表場所: 京都テルサ（京都府）
  • 年月日: 2015-11-09
• [学会発表] 生体適合性高分子／水界面の構造・物性解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 村上大樹、小林慎吾、田中賢
  • 学会等名: 九州大学先導物質化学研究所･九州ｼﾝｸﾛﾄﾛﾝ光研究ｾﾝﾀｰ合同ｼﾝﾎﾟｼﾞｳﾑ
  • 発表場所: サンメッセ鳥栖（佐賀県）
  • 年月日: 2015-08-28
• [備考] 田中賢研究室ホームページ
  • URL: http://www.soft-material.jp/