研究課題/領域番号 |
15K18473
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生物資源保全学
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研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
森 さやか 酪農学園大学, 農食環境学群, 准教授 (70623867)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2015年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 保全遺伝学 / 絶滅危惧種 / 景観遺伝学 / マイクロサテライト / 次世代シークエンサー / 島嶼個体群 / 次世代シーケンサー / 保全生物学 / ノグチゲラ / 集団遺伝学 |
研究成果の概要 |
ノグチゲラは世界で沖縄島北部のやんばる地域にのみ生息する鳥類である。個体数は最大580個体あまりと推定され、絶滅の可能性が極めて高いとされている。本研究では、本種で初めての集団遺伝学的解析を実現し、個体群の健全性を評価するとともに、個体群の動態の歴史や維持の重要なプロセスを明らかにすることを目的とした。 解析したのは、やんばる地域全域から1998年~2013年に採集された322個体のDNAである。本種の遺伝的多様性はかなり低かったが、高解像度の血縁解析や遺伝的集団構造解析によって幼鳥の分散や微細な集団構造を推定でき、それに基づいて個体群動態の過去と未来について議論した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国ではトキを絶滅させた苦い経験があるが、トキの保全事業を開始した時には、すでに個体数が回復不可能なほどに減少し、遺伝的多様性も劣化していた。ノグチゲラはその瀬戸際にある。トキは中国からの移入と増殖で個体数を増加させているが、ノグチゲラは世界でやんばる地域にしか生息せず、ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い。 本種の効果的な保全施策のためには、個体群動態の歴史や傾向、それに影響する人為的要因や、その他の環境要因について明らかにすることが必須である。本研究では、本種で初めての集団遺伝学的解析によってそれらの一部を明らかにし、結果は環境省による本種の保護増殖事業にも活用されている。
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